最近、国際法をちゃんと知らない人が多いんじゃないかなぁ、って気がするので、
今回は少し国際法について語ってみたいと思います。
国際法と条約の違いって、何かわかりますか?
・・・・実は、基本的には同一です。
たくさんの条約によって体系立てられて、秩序立てられているのが国際法です。
代表的なのは、戦時国際法を定めたジュネーブ条約とか、国連の基本法と言える国連憲章などなど。
条約というのは、国と国との契約です。約束です。
国を個人に例えるなら、個人と個人の契約にあたるのが、条約です。
あれ? と思いませんか?
個人であれば、個人の行動を制約するものとして、法律があります。
法律に反する契約は無効とされ、場合によっては処罰されます。
誰によって? 当然、国からです。
では、個人にとっての、契約よりも優先する制約事項である法。
この法にあたるものが、国にとっては何なのでしょうか?
国と国の契約=条約よりも優先する国際的な法体系というのは存在するのでしょうか。
・・・・。
存在しません。そんなもの。
国際社会では、主権を持った国家と国家は常に対等と見なされます。
どんな国家であっても、別の独立主権国家を罰することはできないのです。
だからこそ、対等の独立国と独立国が相互に条約を結び合い、秩序を維持しているのです。
だって某米国はイラク等を罰したじゃないか、という方がいるかもしれません。
ですが、イラクにしても、
「国連憲章」という契約に基づく約束事を守らなかったから、ペナルティを受けたのです。
イラクが悪かったから罰せられたのではなくて、条約の取り決めに従って罰せられたのです。
だからこそ、某米国は今回シリアへの武力介入はできませんでした。
これは、国連決議がなかったから。
国連加盟国は、国連決議に基づかない武力行使は原則としてしないと約束してます。
(正当防衛=個別安全保障に基づく武力行使は除く)
だから、あれだけ強大な力を持つ某米国ですら、武力行使に踏み切れなかったのです。
とは言え。
条約による取り決めのない部分に関しては、独立国は何でも思い通りにできます。
条約に違反している行動であっても、相手国を黙らせて、
国際社会を納得させることができれば、何のペナルティもありません。
もし仮に日本がどこかの国の武力行使を受け、滅ぼされたとします。
その国が、「実は日本は大量破壊兵器をたくさん作ってて、自国を攻撃しようとしてた。
だから攻撃される前に攻撃した。これは正当防衛だ。」と言ったら、
それがまかり通ってしまうのです。
そこまで極端な例でなくとも、力づくで既成事実化された問題がたくさんあります。
北方領土の問題、竹島の問題、そして今既成事実化されようとしている尖閣諸島問題。
これらに対抗するにはどうすればいいでしょうか?
正当防衛をするために、防衛力を身につける。これが一般的な方法です。
でも、日本は憲法でそれを禁じているため、実行できません。
かつて日本は、圧倒的な経済力を築き、それによって発言力を得ていました。
日本のお金がなかったら世界が困るよね? だから日本に不都合なことはしないでね、と。
経済力が傾いた今の日本には、かつてほどの力はありません。
そうなると、日本はどうやって自分を守ればいいのでしょうか。
図体のでかい、声のでかい隣国に対して、どうやって身を守るのでしょうか。
僕は、安倍首相のやり方に賛同しています。
日本と価値観の近い国々との交流を増やし、日本の味方を増やすということです。
声のでかい国でも、世界の敵にはなりたくありません。
国際世論というものには、ある程度影響されざるを得ません。
国際世論を作っているのは誰か? 世界にあるたくさんの国々です。
近隣諸国が反日教育を行い、「日本は本当は悪いヤツなんだ」と宣伝するのも、
狙いはここにあります。
日本を悪者にすることで、日本に対して
好き勝手をしやすい状況を作ろうとしているのです。
戦後、日本は、「不言実行」の美徳で、ひたすらに世界平和に尽くして来ました。
その姿に共感し、日本を好きでいてくれている国が世界にはたくさんあります。
そんな国々と手を取り合い、同じ夢に向かって進んでいく。
それこそが日本の進むべき道ではないかな、と思います。
それができなければ、この国は近いうちに滅びます。
国際社会は、絶対的な法秩序も無ければ、絶対的な保護者もいない、
弱肉強食の世界なのです。
国際法って言葉は、絶対的な法秩序を連想させる言葉かもしれません。
でも、所詮は国と国との約束事。約束を破るも守るも、当事者次第。
相手が信用に値するかは、よく見定めなければなりませんね。