世代間の価値観のギャップ

Pocket

以前から感じていたこと。
我々の世代と、上の世代・・
バブル世代とは、かなり価値観が違うなぁと。

あ、特定の世代の価値観を否定して攻撃する意図はありませんので、
そこは予め明記しておきます。


バブル世代の価値観

北海道のように、ほとんどバブルの恩恵の無かった地域よりも、
首都圏みたいに、ものすごい時代を経験した人の価値観はすごい。

なんせ楽観的だ。
「明日は今日より素晴らしい一日がやってくる」と本気で思ってる。
だから、この先悪いことが起きたらどうしよう、とか思い悩まない。
悪いことが起きても、
「今はたまたま運が悪かっただけ。明日は良くなる」と思ってる。

だから、結果、「ものすごく前向き」なのだ。
ある意味、バブル崩壊後の日本が、「この程度」で済んでて、
未だ先進国の一角を維持しているのは、
このバブル世代の楽観的さと前向きさに
支えられていたのかもしれないとも思う。

その次にいるのが僕達の世代。
今30代後半から、40代前半にあたる。「就職氷河期世代」。
いわゆる「失われた20年」の間に社会に出た我々は、
「ロスト・ジェネレーション」略してロスジェネ世代と言われる。

そのさらに次が、いわゆる「ゆとり世代」。
ただ、この言葉は良くないニュアンスを含んでしまっているので、
ここではあまり使わない。

 


ロスジェネ世代の価値観

ロスジェネ世代の価値観はバブル世代とは真逆。
なんせ、物心ついてからずっと、右肩下がりの日本しか見ていない。
なので、「今日より素晴らしい明日が来る」なんて、
端から信じてない。

バブル崩壊後のリストラに親が巻き込まれ、
家族ぐるみで大変な目にあった人が多くいるのも、
我々ロスジェネ世代の特徴。それまで普通に暮らしていたのに、
ある日突然苦境に叩き落される。そういうことが身近にあった世代。

そんな僕らの基本的な価値観は、悲観論だ。
「明日は今日よりきっと厳しい。」
「努力して忍耐しないと生き残れない。」
「今持ってるものを明日も持ててるとは限らない。」

だから僕らはバブル世代のように車も家も買わないし、
飲み歩いたりもしないし、
ファッションの為にお金を使ったりもしない。

そんな余裕があるなら貯蓄する。
そして自分のスキルアップに励む。
「自分に投資する」という考え方が強いのが
僕ら世代の特徴かもしれない。

 


さらにその下の世代の価値観

その下の世代は、また価値観が違う。
少子化・晩婚化の影響で、親の年齢層が上がり、
僕達よりも比較的裕福な家庭で、
親の愛情を一身に受けて育った彼らは、
とても甘え上手で大人とのコミュニケーションにも抵抗が無い。

ただ、世の中から権威が失われた時代に育っているので、
我々以上の世代のように
「大人は目上」「年長者は敬う」という意識は薄い。
(家庭の中で父親が尊敬されなくなった影響が大きいと思う。)

さらに、周りの大人の目が行き届いていて、
危険があれば、本人が気づかないうちに
大人が除けてくれているので、
乱暴な言い方をすると
「痛い思いをし慣れていない」のがこの世代の特徴と思う。
ゲーム世代で、僕らほど外遊びもしてない様子だし。
外で遊んで生傷を作ってきた経験も少ないと思う。

そういう彼らは、とても失敗を怖がる。
どんな些細なことでも、失敗したら人生終わりだ、
くらいに思ってる。本気で。

なので、上の世代が、成長の為に
失敗のリスクがあっても挑戦させようとすると、
頑強に抵抗する。
「成功しないかもしれないのに、
その挑戦に意味があるんですか?」と。
「そんな無駄なことをさせるくらいなら、
確実に成功する方法を教えて下さい」と。

そして、「あなたがNo.1」で育てられている場合が多いのか、
とてもプライドが高い。
しかもプライドを折られることに慣れてない。
失敗することをプライドが許さない。だから失敗を認めたがらない。
そして失敗にも備えない。だから失敗したときのダメージがでかい。

でも、この世代はデジタルネイティブだったりもするので、
うまく自分に合った物事の進め方を見つけると、化けることがある。

 


相互理解で助け合える社会に

なんでこんなことを改めて書いたかと言うと、
各世代が、「相手は自分と同じ価値観のはず」と根拠なく思い込み、
それをベースに他世代にコミュニケーションを仕掛け、
そして不協和音が出ているのを最近よく見かけるから。

人間だれしも(もちろん僕も)、
無意識に自分は正しいと思ってるので、
自分の価値観を相手に押し付けがちだけど、
コミュニケーションは、
「相手に受け止めてもらって」初めて成り立つ。
「自分が言った」時点じゃなくて、「相手が受け止めた」時点で完了。

相手が受け止められない投げ方をして、
「自分は言うべきことは言いました」は
言ってないのと同じ、むしろやらないほうがいい。

年長者の皆さんにお願いしたいのは、
下の世代は別の国で育ったくらいに別の価値観を持ってるので、
そこを頭ごなしに否定せず、
受け止めた上で違う見方を示して欲しいということ。

自戒も込めて、若い世代の皆さんにお願いしたいのは、
どうしたって年長者は自分たちよりも長い間この社会を支え、
自分たちが成長できるように頑張ってきてくれたということ。
その事実に対して敬意を常に持って、接して欲しいということ。
そして言われたことは反発する前に一旦、
受け止めて欲しいということ。

地方、とくに室蘭市はこれから、
世代間で反発しあっている猶予は無いです。価値観の違いを超えて、
すべての世代が協力し合わないと、成り立たないと思います。

社会全体が右肩上がりで、活力に満ちていた時代なら、
世代間の反目くらいは受け入れられる余裕があったかもしれない。
でも、今の室蘭には、それは無いです。

それぞれの得意分野を活かし合って、
このまちを創り上げて行けたら・・
そう切に願います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA