さて。この週末はいつものように室蘭に帰省したんですが、
いつもと違って、父が出かけていたので、車が使えず・・ バスと徒歩での移動でした。

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朝10時20分発のバスに乗り、11時過ぎに室蘭市中央町の少公園前バス停に到着。
ここからが歩きです。上の地図では、緑の「>」マークのあるところですね。

中央通りを北上し、プリンスホテルのところで海側に曲がり、
浜町商店街(旧浜町アーケード)をのんびり歩きます。

ここのアーケードが撤去されてから1-2年しか経ちませんが、
さらに何箇所も空き地になってて、残ってるお店も皆、シャッターが降りているという、
典型的なシャッター通りになってしまってますね。。
さて。なぜこんな早い時間にここに来たかというと、お目当てがあって。
浜町アーケードに、室蘭市民なら誰でも知ってる、天丼の名店があります。
「天勝」というお店なんですが、ここの天丼が絶品なんですね。
ごま油で香ばしく揚げられた天ぷらに、甘辛のタレがよく絡みます。
腹ごしらえが済んだのは11時半過ぎ。
今日は13時半からNHK室蘭のプラザμで演奏会があるのですが、まっすぐ行くと早すぎる。
なので、ぶらぶら散歩を続けることにしました。
天勝を出て、もう少し行ったところで海側に折れ、通称浜町小路を室蘭郵便局(通称本局)まで抜けます。
そこからは海岸通りを歩き、途中の小路を山側に折れて、上の通りに出ます。
この小路、通称「日本一の坂」と言います。なぜ日本一か・・・勾配が日本一きついわけでもなく。
昔、この小路の入り口に、日本一という蕎麦屋さんがあったのが由来とか。(笑)
上の通りに出て、さらに北上すると、室蘭総鎮守の室蘭八幡宮の鳥居が見えてくる・・はずが、
見えてこなくて、あれれ? と思ってると・・・

鳥居が工事中でした。(^^;
せっかくなので、鳥居をくぐり、長い階段を登って八幡様にご挨拶してきました。
早く室蘭に帰って来れますように、とお願いするのも忘れずに。
登ってきた階段を下り、鳥居を出ると、正面の崖下には旧室蘭駅が見えます。

崖を下るには、またまた階段です。足がもうガクガク。(笑)
で、正面から見た旧室蘭駅。

この駅舎は明治45年に開業したもので、平成5年に新しい室蘭駅が出来るまで、
道内最古の木造駅舎として活躍していました。
明治時代の洋風建築の雰囲気をよく残してる、高天井のロビーで一休み。
一息ついた後は、旧駅舎の脇を通り、かつての線路を渡って港の方へ。



この「中央埠頭」は本来、客船バースなんですが、
客船がいない時は一般の船舶にも解放されているらしく。
この日は四国の今治から来た小型タンカーが係留されてました。
港で潮風に当たった後は、少し戻り、栗林商会本社の前を通り、
サッカーJ2の公式戦も行われる入江陸上競技場の前を折れて、
そのまま現在の室蘭駅へ。

室蘭駅で二度目の休憩を取った後、ぼちぼち13時過ぎになったので、来た道を途中まで戻り、
入江高架橋の下を通る歩行者専用道路を山手町方面へ。目的地NHK室蘭に到着しました。
距離にして5キロほど。時間としては2時間ほどの散歩でしたが、
これが室蘭の旧市街とも言うべき場所なんだなー、と感慨深く見ました。
いや、旧市街って言うと悪い意味みたいですけど。
言いたいのは、産業革命前、移動手段が動力化される前、
ぶっちゃけ、市民が徒歩で生活していた時代の室蘭って、だいたいこの範囲だったんだろうなぁって。
歩いて行ける範囲に、生活に必要なものが全て揃ってる。
つまり、都市設計が、市民が徒歩で移動することを前提に開発されたエリアなんですね。
なので、市民が車で移動する時代になると、むしろこの細い街路、込み入った街並みは
マイナスにしかなり得なかった。そういうことになるんだと思います。
だけど、今思います。
環境問題が叫ばれる中、自動車を生活の足に使い続ける生活が正しいのでしょうか。
少子高齢化が進み、高齢ドライバーの自動車事故が増えてます。
高齢者に運転を強いる生活が、人にやさしい生活なのでしょうか。人にやさしい街なのでしょうか。
この、歩いて暮らせる街、っていうコンセプトが再評価されてもいいんじゃないか。そう思います。
現に、ヨーロッパの古い都市とかだと、
同じように徒歩ベースで設計されている旧市街地区は
自動車の出入りを禁じている都市も数多くあります。
そして、そこが人も訪れず、廃墟になってるのかと言えば、そんなことはなく。
人々は、中世の頃と何ら変わらず、歩いてどこにでも行き、何不自由なく生活しています。
自動車を使うのは、本当に遠くに行く時だけ。
日本も、そんな生活が当たり前になる日が来るといいなぁ、と思います。
今回、散歩してみて、つくづく思いました。
僕は、この街に住みたいな、と。
それも、生まれ育った室蘭市港北町ではなく、中央町で暮らしたいな、と。
港北町も閑静な住宅街で住みやすいんですが、
ここは自動車がある前提で、住宅に特化して開発された新しい街です。
自動車のない人が、歩きで生活しようとするには暮らしにくい街なんですね。
中央町なら、車が無くても生活できる。
まして、人口減少で市街地でありながら、地価も下がってるはず、と。
将来、ご縁があれば、室蘭市中央町に住みたいものです。
そんな思いを新たにした休日でした。