聖地巡礼の旅(4) 伊勢編(下)

少し間があきましたが、伊勢編続けます。
ようやく聖地巡礼旅っぽくなります。

2013年9月14日 (土) 聖地巡礼の旅への決意
2013年9月14日 (土) 聖地巡礼の旅(1) 東京編

2013年9月23日 (月) 聖地巡礼の旅(2) 神戸編

2014年2月17日 (月) 聖地巡礼の旅(3) 刈谷編

2014年7月22日 (火) 聖地巡礼の旅(4) 伊勢編(上)

午前中、突然降りだした雨で大慌てしたのを反省し、昼食後は一旦伊勢市駅へ戻って、ロッカーの中から折りたたみ傘を取り出しました。これでロッカー代300円余分にかかってしまいましたが、まぁコンビニでいらないビニ傘買ったと思えば一緒ですね。

駅前のバス停から、内宮前行きのバスに乗り・・・ だけど終点まで行かず、何故か猿田彦神社前で下車。

なぜだと思います?

・・・・なぜなら、ここに、この旅の主目的があるからなのです。

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なんだコレ? と思われる方も多いかもしれません。このモニュメントは宮城道雄記念碑。宮城道雄先生の生誕100年を記念して、宮城会が主体となり、伊勢市など関係団体の協力で建立されたものです。

説明書きはこちら。
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モニュメント本体はこちら。
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碑文が2つあり、1つは宮城道雄先生の略歴、もう一つは随筆「五十鈴川」の一節が刻まれています。

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記念碑を見学後は、近くの小道を通って内宮に向かいます。
沿道にはきれいな花が咲いてました。

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小道の周囲には味わいのある和風建築が続きます・・・が、内宮が近づくにつれて、人がどんどん増えて歩くのも困難に。(^^; しかも雨まで降ってきます。

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てんやわんやで、ようやく皇大神宮、別名「内宮」に到着です。
日本で最も尊い神様のお住まいです。

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一の鳥居をくぐると、すぐにある橋が五十鈴川にかかる宇治橋です。
ちなみにこの鳥居は、かつての御正宮の棟持柱を再利用して作られているそうですよ。

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橋を渡ると境内ですが、外宮に比べてずいぶん「庭園」っぽいなぁと感じます。

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帰ってきて調べたところ、ここはまだご神域ではなく、神苑と呼ばれる区域だそうで。
鳥居をくぐる度に森はどんどん深くなります。

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参道右手に手水舎があるので、そこで手と口を清めて進みます。
すると、参道は五十鈴川の河原へ。ここで川の水であらためて手を清めます。

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河原を過ぎると、参道は本格的に森の中に入っていきます。
清浄な気が満ちているのを感じます。

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いくつもの巨木を見ながら参道を進むと、いよいよ石段の上に御正宮が。

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真新しい板塀と鳥居が眩しいです。そしてここで雨が上がるという奇跡が。

行列に並んで、ようやく天照大御神さまにご対面です。
とは言っても外宮と同じで、御正殿までは行けず、鳥居をくぐったところでご挨拶ですが。(^^;

まずもって、無事ここに来られたことをお礼申し上げた上で、
この日本に生んでいただき、日々何不足なく平和に暮らさせて頂いていることに深くお礼申し上げました。
いつもお守り頂き、ありがとうございます、と。

参拝を終えた後は、一の別宮である荒祭宮へ。

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このお宮がお祭しているのは、天照大御神さまの荒御魂。
このお宮ではお願いごとをしてもいいことになっているそうです。

普段、神様にお願いごとをしない僕ですが、ここで1つだけお願いごとをしました。

生まれ育った土地に帰り、人のために役に立ちたいです、と。
そのために今まで以上に精進するので、どうかお見守り下さい、と。

天照大御神さまがお聞き届け下さるかどうかはわかりませんが、
僕は大御神にお誓い申し上げたとおり、これまで以上に室蘭のために精進するのみです。

この後、境内のいくつかの別宮をお参りしたのですが、写真があまりありませんでした。。
なので、参道の写真をいくつか。

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そしてたっぷりご神域の空気で身を清めて、いよいよ内宮を後にします。
その前に、宇治橋を下から撮影できるポイントがあったので、一枚パチリ。

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千年前から変わらない光景なのでしょうね。

内宮を辞した後は、バスで伊勢市駅に戻り、そこから近鉄特急で、今度は名古屋ではなく大阪に向かいます。行き先は大阪上本町。2時間ほど列車に揺られて、大阪に到着です。

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伊勢編はここで終わりですが、旅はまだ続きます。次は白浜編です。

聖地巡礼の旅(4) 伊勢編(上)

7月の3連休。めずらしく北海道での予定が入ってない3連休でしたので、今回は一人旅をしようと予定を立てていました。

僕の一人旅は、2012年の道北・礼文島の旅から始まって、昨年は函館・江差線の旅と続いてます。(道北・礼文島の旅は旧ブログからの写真転載がうまくいっておらず、写真が表示されません。。あと江差線の旅はブログ記事が無くFacebookへのリンクです。すみません。)

そして去年の9月からは、今回の一連の旅のテーマである「聖地巡礼」が始まってます。
聖地とは? 巡礼とは? というあたりは昨年9/14の記事をご参照下さい。

2013年9月14日 (土) 聖地巡礼の旅への決意

2013年9月14日 (土) 聖地巡礼の旅(1) 東京編

2013年9月23日 (月) 聖地巡礼の旅(2) 神戸編

2014年2月17日 (月) 聖地巡礼の旅(3) 刈谷編

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少々前置きが長くなりました。本編に入りましょう。
7月19日(土) いつもより少し早起きをして、最寄り駅6:01発の列車で出発。東急線とJR横浜線を乗り継いでまずは新横浜駅に向かいます。
途中、横浜線のE233系を初体験。つい最近まで205系のボロ電車が走っていたので、最新式のE233系が走っているのには妙な違和感がありました。

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そんなこんなで新横浜駅に到着。一人旅の時には少しでも節約のために自由席利用です。
なので、乗る新幹線も自由席が少ない「のぞみ」ではなく、でも各駅停車の「こだま」でもなく。中間をとって、「ひかり」を選びました。

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おかげで無事ゆったりと座ることができ、名古屋まで快適な移動を楽しめました。

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ここでハプニング発生。
名古屋8:37発のJR快速みえに乗る予定だったんですが、きっぷ購入に手間取る。
いやぁ・・「快速」という名に騙されて、通常の近距離切符買おうとして、「あれ? 路線検索だと2000円って出てたのに、2000円のボタン無いなぁ・・。」と。。
よく見たら特急指定席券売機のところに快速みえの表記が・・!!
なんだよ! 快速のクセに別料金取るのかよっ! と小声で毒づきつつ、指定席券売機で切符を買おうと操作したら・・・
「ただいまご指定の列車はお取り扱いできません。係員のいる窓口にお尋ね下さい」と表示されて買わせてくれません。(T^T)

みどりの窓口に行ってみると、まぁいつも通り長蛇の列。
いや、むしろ連休で普段移動し慣れてない人たちが、券売機でも買えるきっぷを買いに窓口並んでるもんだから、いつもよりも列は長い。
快速みえの発車まであと5分。この時点で快速みえへの乗車を諦め、プランBに移行することにしました。

プランBというか、おそらく名古屋から伊勢に行く方法としては、こっちの方がたぶん基本。

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近鉄線に走って、8:50発の特急に乗り出発。お代はJRより870円ほど高かったですが。。(^^;

電車は快調に三重県へと入り、四日市の工場地帯を抜け、県庁所在地の津を抜けて、田園を真っ直線に走り抜けて10:20に伊勢市駅へ到着!

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この時点で天気は薄曇り。外を歩くにはありがたい天気でした。
伊勢といえば神宮参拝! まずは外宮からお参りするのがしきたりだそうなので、駅から徒歩5分のところにある外宮に向けて表参道を歩きます。

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沿道には由緒ありげな建物が立ち並びます。
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そしてようやく外宮の前の広場に出ます。

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外宮は正式には豊受大神宮と申し上げるそうで、お米を始め我々日本人の衣食住に関わる全てを司っておいでの豊受大御神がお祭りされてます。
内宮にお祭りされている天照大御神さまのお食事を司る神様としてこの場所に招かれたんだそうです。

橋を渡り、一の鳥居をくぐると、周囲の空気が一変します。

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さっきまで聞こえていたまちの雑踏や車の音が遠くなり、代わりに鳥や虫の声が響き渡ります。そして、どこからともなく雷鳴を思わせる低い音が。。

ニの鳥居をくぐると、森はさらに深くなります。

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なんとなく、どこかに似てるなぁと感じながら歩いてたんですが、よくよく考えてみたら東京の明治神宮の森でした。でも、外宮の森の方がずっと深くて静かで神秘的で。こちらがご本家。明治神宮の森はここを模して作られたものなんだろうなぁ、ということが感じられます。

ほどなくして、御正宮にたどり着きます。
昨年、式年遷宮が済んだばかりですので、神様が移られた後の古いお社は解体している最中でした。

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手前側が古いお社。奥の新しい木のお宮が新しい御正宮です。
周囲には、樹齢数百年に及ぶのではないかと思うような大木が立ち並びます。

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そしていよいよ豊受大御神さまとご対面。

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ここより奥の写真撮影は許されてませんので、ここで一枚。
この中に見えている建物よりも80mも奥に御正宮があり、そこに神様がいらっしゃいます。

二礼二拍手一礼でお参りさせて頂きました。
まずもって、この国に生を受け、何過不足無く平和に暮らさせて頂いていることに深く深く感謝申し上げて、日々見守り、お導きを与えて頂いていることを心からお礼申し上げました。

それだけかって言う人もいそうですよね。
せっかく伊勢まで行って、願い事をしなくてもいいのか、と。

僕はもともと、どの神様に対しても基本的にお願い事はしないことにしてます。
あえて僕がお願いしなくても、僕にとって何が必要か、神様は当然ご存知です。
神様に見守って頂けてるなら、必要な時に必要な助力を授けて下さいますし、
逆に授けて頂けないということは僕には不要ということです。

だから、僕はただ神様に感謝だけすればいいのです。
いつも見守って下さってありがとうございます、と。
いつもお導き頂いて、必要なものを授けて頂いて、ありがとうございます、と。

御正宮をお参りした後は、境内にある別宮をお参りします。
まずは一の別宮「多賀宮」。境内のちょっとした高台にあります。

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お宮の前はちょっとした谷になっていて、自然のままの姿が見てとれます。

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その後は高台から降りたところにある土の宮と風の宮にお参り。ここでも申し上げることはシンプル。「いつもお守りいただきありがとうございます。」と。

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ひととおり境内を参拝して歩いた後は、境内にある「せんぐう館」を見学。

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内部は撮影禁止だったので写真は無いですが、その名のとおり式年遷宮についてと、神宮で日々行われているお祭りについてわかりやすく展示されてました。
特に式年遷宮についてはかなり力が入っていて、館内に原寸大の御正殿の模型があったのには驚きました。さすがに全体というのは無理で、全体の4分の1だけが壁から飛び出しているような形状でしたが、それだけでも巨大さがとてもよくわかります。

僕はこういう展示が大好きなので、じっくり見て回っていると、天を貫く雷鳴と、屋根を打つ雨の音が響き始めます。
境内を回っている時から感じていた低い音は、やはり雷鳴だったようですね。

しかし、せんぐう館に入る瞬間まで雨降りを待って頂いたことに、やはり神様のご加護を感じずにはいられませんでした。なんせ、僕は駅のロッカーに傘を置いてきてしまっていたので、外を歩いている時に降られるとずぶ濡れになるところでしたから。

せんぐう館で雨が止むのを待ちます。
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普段は憂鬱な雨降りでも、神様のお計らいで雨宿りをしながら眺める雨はまた違って感じられるものです。
幸い、僕がせんぐう館をひと通り見終わり、池の見える場所で20分ほど休憩している間にほどなく雨は上がり、僕はせんぐう館を、そして外宮を後にしました。

もちろん、ご神域を出る橋のところから、御正殿の方向に向かって深く礼をして、雨に打たれずに済んだことをお礼申し上げました。

外宮を参拝した後、時間は13時過ぎ。
なので、門前にあるお店で、有名な伊勢うどんを頂きました。
お店の親切なお姉さんが、とろろうどんがおすすめと言うのでそれを頼んで堪能しました。

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やわらかなうどんに、濃い目のタレがよく絡み、美味でございました。
ここで、内宮に向かう前に一度、傘を取りに戻ることを決め、食後は一旦伊勢市駅に戻ることといたしました。

(伊勢編(下)に続きます。)

第4回 鈴の会

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毎年恒例。登別の知り合いの先生が主催する、
「箏と尺八による鈴の会」をお手伝いして来ました。

とは言え、僕たちとは流派が違いますので、弾くわけにはいかずに
今年も調弦と舞台裏のお手伝い。

出演者の尺八の先生からは、
「なんだかだんだん楽器屋さんに見えてきた」などと言われつつ。

まぁ、この先いろいろもろもろの事情があって、自分が弾くことを辞めることになっても、
こうしていろんな会の裏方をお手伝い出来れば。
そんな形ででも邦楽に関わり続けられれば・・と思わないでもないので、
そう評価してもらえるのは嬉しいことですね。

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会場は登別の仙海寺。
去年までは鉱山町のふぉれすと鉱山だったんだけど、
あまりにも山奥すぎるということで、今年はこちらにしたとのこと。

その効果もあってか、お客様は例年以上。
ざっと100人以上は来てたんじゃないかなぁ。

そして演奏のレベルも年々上がってて。
全曲、原則1パート1人。それでちゃんと合奏が成り立っている。
本当に凄いです。

弾くことは出来なくても。この会にずっと第一回から関わり続けられていることを
心から誇りに思います。これからも関わり続けて行きたいものです。

聖地巡礼の旅(3) 刈谷編

久しぶりになりますが、聖地巡礼に出かけました。

聖地巡礼シリーズの過去投稿はこちらから。
聖地巡礼の旅への決意
聖地巡礼の旅(1) 東京編
聖地巡礼の旅(2) 神戸編

今朝起きたら、昨日までの雪が嘘だったかのような快晴。
そして、めずらしく何も予定のない一日。

なので、今日は以前から行きたいと思いながら行きそびれてた、聖地巡礼を決行することに。

残った聖地のうち、日帰りで行けそうなのは、刈谷の「楽聖宮城道雄先生供養塔」です。
もともと、名古屋に出張した時にでも、ついでに行ってこようと思ってた場所ですが、
しばらく名古屋に出張する機会もなさそうなので、思い切って行っちゃうことにしました。

東急線を乗り継いで新横浜まで行き、新横浜発11時16分の東海道新幹線「こだま」で西へ。

いつもの出張なら、のぞみの指定席ですが、
今回はプライベートなので、少しでも費用圧縮するために自由席利用。
そして、自由席使う前提なら、こだまかひかりの方が自由席多いので有利だろうと。

出張の時には、わざと通路側の席を取るんですが、
今回はプライベートなので、窓側の席に座ることに。

天気はとても良く、富士山がきれいに見えてました。

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そして13時8分に豊橋駅へ到着。

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ここから在来線に乗り換えですが、まずは腹ごしらえということで・・
豊橋駅の駅ビルにあるラーメン屋さんにて、「塩鮪だしラーメン」を食べました。

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さっぱりとした塩味で、麺はそうめんみたいな極細ストレート麺。
非常にあっさりと頂くことができました。

ラーメンを食べた後には、在来線に乗り換え、揺られること30分ほど。
ようやく目的地・刈谷駅に到着です。

到着後はiPadのGoogleマップ便りに徒歩で目的地へ。
そしてついに目的地に到着しました。

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楽聖宮城道雄先生供養塔です。

宮城道雄先生は58年前の1956年、関西へ演奏旅行に向かう途中、
この刈谷駅のほど近くにて夜行列車より転落。翌日亡くなられました。

この碑は、そんな先生をご供養するために、
宮城会と刈谷市などが協力して建立したものです。

宮城会の宮城道雄顕彰事業の実施地になっており、
浜木綿忌には全国から多くの宮城会会員が集まります。

敷地内には、道雄先生の奥様、貞子夫人が建立されたお地蔵さんなどもあり、
まさに聖地の雰囲気漂う場所でございました。

ここで10-15分ほどを過ごし、再び刈谷駅へと取って返し、
帰りは一旦名古屋に出て、そこから新幹線に乗ることにしました。

再び列車に乗り、名古屋駅へ。

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そして以前、松本支店の先輩に教えてもらった、
美味しいと評判のホーム上の立ち喰いきしめん屋に立ち寄ってみました。

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頼んだのはかき揚げきしめん。
揚げたてのかき揚げを乗せて出してくれます。

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このボリュームで500円はお得です。
しかも、注文してから揚げてくれるかき揚げが絶品。
だしも関東風の濃すぎるだしではなく、やわらかな味わいのだしでした。
確かにこれなら、入場券買ってでも食べる価値のある味です。

大満足しながら、新幹線ホームへ。
ちょうど、すぐに東京行き「ひかり」があったので、それに飛び乗って帰途につきました。

帰り道、ちょうど富士山が、ちょっとだけ赤富士っぽくなっていたので、
写真を撮りつつ、今日の旅は終了となりました。

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宮城道雄先生の生誕地、墓所、そして遭難の地と、
とりあえず最低限辿りたかった足跡がこれで完了しました。

あとは、伊勢と、南紀白浜の天響の門、そして鞆の浦ですね。
いずれも日帰りはちょっと無茶かつ、もったいない場所なので、
土日かけて1泊2日で行けるように段取りしたいと思います。

懐かしい雰囲気

昨日の日曜日は、神奈川県茅ヶ崎市まで出かけて行きました。
というのも、以前からFBで交流させて頂いている宮城社の池上眞吾先生の社中の
おさらい会が開かれるということで、ご案内を頂いたのです。

昨年もご案内を頂いたのですが、昨年は所用があり失礼させて頂きました。
なので、今年初めて聴かせて頂いたというわけです。

茅ヶ崎市には訪れるのも初めてで、どきどきしながら会場に向かったのですが、
駅を出て南側は行けども行けども住宅街で、不安になるような細い路地を抜けて、
ようやく辿り着いたのが会場の老舗旅館「茅ヶ崎館」です。

本当に明治の頃からある旅館で、重要文化財にも指定されている建物でした。
その茅ヶ崎間の和室大広間を会場に、池上先生一門のおさらい会が開かれました。

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おさらい会とは本来、
社中(師匠と、師事する弟子から成る団体。一家や一門とも言います)の内輪の会で、
通常は社中関係者とその家族ぐらいにしか声をかけません。

このようなおさらい会を見せるというのは、それなりに葛藤のあることのはずですので
ここにお招き頂いたことをとてもありがたく、誇らしく感じた次第でございました。

プログラムに記載の曲数は全34曲。
奏者はお稽古を始めたばかりの方や子供さんたちから、
上はプロとして活躍中の人まで全て一人弾きで演奏されてました。
そのことにまずぶったまげました。

そして、子供さんに至るまで、もちろんそれぞれの段階はありますけど、
誰一人として、おかしな弾き方をしたり、おかしな音を出したりする人がいなかった。
さすがとしか言いようがありません。

普通、子供さんとかだと、力が無いですから、
押し手の音なんて決まるものではないんですが。。
ぴたっと正確な音程の押し手にびっくりしました。

そんなこんなでレベルの高さに驚いたわけですが、
曲選としては、初伝で習う曲、中伝で習う曲、奥伝で習う曲、皆伝の曲などなど、
いろんな段階で習う曲が順番に出てきて、しばらく聴くことのなかった曲の数々に
懐かしさと、自分の師匠との思い出を思い出しながら聴いてました。

通常、外向きの会では皆伝以上で習うような曲しか出しません。
なので、身内のおさらい会でも無いと、奥伝以下の曲って聴く機会が無いんですよね。

僕も、自分の社中のおさらい会が4-5年前から無くなってますから、
本当に久しぶりに聴く曲ばかりで、懐かしさと、師匠との思い出が胸をよぎり、
なんとも言えない暖かな気持ちで聴かせて頂きました。

曲の合間に出演者を見ていると、まず男性奏者が多いのに驚きました。
そして男性奏者同士が、年齢に応じて兄弟弟子として、兄弟子が弟弟子を見守り、
弟弟子は兄弟子に憧れて、兄弟子の背を追っている様子が伺えました。

僕も小学生の頃は兄弟子に面倒を見てもらいましたし、
大学までは弟弟子がいましたので、かつての自分と重ねあわせてしまい、
懐かしく、そして二度と戻ってこない自分の社中のかつての光景に少し寂しい気持ちと、
ないまぜになったちょっと切ない気持ちで見ておりました。

演奏は1曲7分と決められているそうで、
どんな古典の大曲も7分。それでいて抜粋に無理がなく、
まさにダイジェスト版といった雰囲気で各曲のみどころを網羅できるようになってました。
これはやはり曲を知り尽くし、作曲家でもある池上眞吾先生のご指導の賜物だろうなぁと
ただひたすら驚いていた次第です。

終曲は春陽楽第4楽章「さくら」。
箏2パート、三絃2パート、胡弓2パート、十七絃2パート、尺八2部、打ち物、そして玲琴と
フルパートでの迫力ある演奏に、おもわず鳥肌が立ってしまいました。

宮城社にはたくさんの社中がありますが、
この曲を自社中だけで全パートそろえて演奏できる社中は
そうそうあるものではありません。

うちの社中が最盛期だった30年前でも、無理だったと思います。
それを難なくやってしまえる池上先生のご一門の、層の厚さといいますか、
レベルの高さに圧倒された演奏でした。

おさらい会終了後は、FBで交流させて頂いている静岡の某先生と
そのお弟子さんがお見えでしたので、茅ヶ崎駅近くのお店で軽く会食させて頂きました。

その先生とお弟子さんも男性奏者ということで、
まぁ、男性奏者という繋がりでお付き合いさせて頂いているのですが、
まぁ箏曲の世界では少数派の男性奏者同士ということで、いろいろ共通するものもあり、
思い切り盛り上がってしまいました。とても楽しかったです。

思いがけず懐かしい曲と懐かしい思い出に出会え、
そしてFBでしか交流のなかった方たちと直接ご挨拶でき、
とても充実した休日を過ごすことができました。

お招き頂いた池上眞吾先生に心から感謝したいと思います。

室蘭市市民会館 新春ロビーコンサート

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毎年恒例の、室蘭市市民会館 新春ロビーコンサートに出演して来ました。

このロビコン、2002年に今の市民会館が開館してすぐの、
2003年のお正月より、ずっとうちの社中で担当して来ました。

去年は、直前の2012年12月にうちの先生が亡くなってしまった為、中止となりましたが、
毎年楽しみにされている方も多いそうで、今年こそはなんとか、というお話があり、
メンバー一新の上、実現したという経緯でございます。

僕が出るかどうかは、これまた一悶着ありましたが、
うちの先生が毎年出ていたくらいに、大切にしていた会なので、
社中としての参加は無理でしたが、せめて僕だけでも・・
という思いで出演させて頂きました。

曲目は昨日同様、春の海、唱歌(さくら、かぞえうた、お江戸日本橋)、荒城の月、六段です。

おかげ様で今日も50名ほど? の方に聴いて頂き、概ねご好評頂けたようでした。

この会を再開させることができたのが、僕の「再始動」の一つです。
これからも、亡き先生の想いを大切に弾いていきたいと思います。

イオン室蘭店 新春ミニコンサート

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さて。今年は邦楽における再始動の年に位置付けてますが、
その第一号がこのミニコンサートです。

尺八はいつも一緒にやってる人ですが、
お箏を弾いて下さった方が違う流派の方なので、
あとで物議を醸してしまうかもしれませんが・・・
今年はもう、そういうのは気にしないことにしました。

曲は唱歌(さくら、かぞえうた、お江戸日本橋)、荒城の月、六段、春の海です。
一応、宮城社に連なるものとして宮城曲・春の海と古曲・六段を入れてもらいました。

お客様は50名ほどが来られていたそうですが、概ね好評だったようで一安心です。

春の海は2年ぶりの舞台での演奏でしたが、
ここ1-2週間のおさらいの成果か、細かい部分で課題は多数あったものの、
概ね問題なく演奏できました。

演奏後、片付けて着替えたあと、
同じ会場で和太鼓の「ZINKA」さんの演奏が行われたので聴いてきました。
大人数で叩く和太鼓もいいですが、このチームは兄妹2人でやってるチームで、
とてもパワフルで若さ溢れるパフォーマンスに大感激しました。

音楽って理屈じゃないんだよなぁー。

平成25年度 室蘭市民文化祭 三曲演奏会

今年の室蘭市民文化祭も無事終演いたしました。
昨年、相次いで逝去された、宮城社の先生方3名の追悼演奏ということで、
遺された門人たちが集い、夕顔を演奏して開幕。

僕も三絃で参加させて頂きました。
先生の許に届いていればいいんですが。。

この曲の他に、社中としては宮城道雄の飛鳥の夢を演奏。
こちらは僕は十七絃でした。

で、今年は初めて、舞台裏方のお手伝いをさせてもらいました。
具体的には、幕間の舞台セッティングです。

終わった曲の楽器を片付け、次の曲の楽器を指定された場所に速やかに並べる。
この幕間が長くなってしまうと、どんどん時間が押して行ってしまいます。

曲の演奏中も、舞台袖に仮置きした楽器を楽屋に戻し、
楽屋から次の楽器を運び、配置を確認し・・・と、意外に大忙し。

しかも、自分の出番は出ないといけないし。
その為には楽器の調弦もしなきゃいけない。

それでも大学生のバイトさん4名入ってたおかげで、なんとか大きな遅れも無く、
無事終演させることができたのではないかと思ってます。

改めて。去年までこの大仕事を一手に引き受けてくれていた尺八の先生方に感謝です。

尺八の先生方の平均年齢もどんどん高くなり、
演奏会の進行にも遅れが常態化してきたここ数年。

今年、一大決心して、舞台裏に足を踏み入れたことが
正解だったらいいなぁ、と思います。

もちろん、絃方でありながら、そちらに手を出すというのは、
絃方から見れば面白いことではないと思います。

でも、尺八の方からも、
「なんでいつも尺八の人ばかり大変な思いをしなきゃいけないんだ。」
なんて声まで聞こえてきてました。

絃方から、僕一人でも舞台裏に参戦することで、
少しでもこのような尺八側の不満を和らげることが出来たなら、
それこそ今年は大成功だったのではないかと思いますが、
実際はどうだったことやら。

一方で、社中の姉弟子のお許しは頂いてのお手伝いなので、
絃方から何か言われたとしても、堂々としていたいと思います。

これからも、できる限り色々とお手伝いしていきたいと思ってます。

聖地巡礼の旅(2) 神戸編

聖地巡礼の旅、第二回目は神戸編です。
勤め先の社員旅行の行き先が神戸だったので、これはチャンス! ということで
東京に戻る日の今日、新幹線までの空き時間を利用して、さくっと行ってきました。

宿泊先は新神戸だったので、まずは地下鉄で三宮へ。
東出口を出ると、すぐに生田神社の参道に出ます。

参道を進んでいくと、生田神社に到着。
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この神社の創建は、神功皇后の時代にまで遡れるそうで、
ご祭神は稚日女尊。境内にはたくさんの神社があります。

神社に行って、目的の場所だけ行ってさようなら、なんて失礼なことはできないので、
まずは本殿に参拝。
同じ会社の社員がこの週末、お膝元を騒がせていることをお詫びし、
ここに来られたことを感謝し、境内の散策と撮影のお許しを願いました。

その後、境内を散策します。
境内には古戦場でもある生田の森などもあり、境内一帯が一つの文化財といった趣でした。

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そうそう。境内の池のほとりには弁天社があったので、
こちらにもきちんとご挨拶を申し上げました。

本当に、行く先々に弁天様がいらっしゃるのには驚きます。
そもそも日本全国に弁天社が多いのかもしれませんが、
なんとなく音楽・芸術の神様である弁天様のお導きを感じずにはいられません。

境内をひと通り回った後、目当てである石碑を探します。
石碑は鳥居をくぐって、ご神門をくぐる手前。えびらの梅のすぐ前にありました。

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宮城道雄音楽碑と書かれた石碑には、「むすびの神曲」の五線譜が掘られています。

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お墓ではないので、手をあわせるのはおかしいかなと思い、
深く一礼して宮城道雄先生への想いを新たにいたしました。

生田神社を後にして、表参道を進んでいきます。
すると、阪神電車とJRを通り過ぎ、道が若干何度か曲がりつつ、進んでいきます。

一帯は「旧居留地」というそうで、もともと明治の頃は外国人居留地だったそうです。
今は近代的なオフィス街になっています。

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さらに進んでいくと、木陰が見るも涼し気な並木道に出ます。

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この道に面して、宮城道雄先生のご生家があったそうです。

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ここが第二の目的地。宮城道雄先生の生誕地です。
石碑には「春の海の作曲者 宮城道雄生誕の地」と刻まれ、
嵌めこまれた金属プレートには、春の海の五線譜が1フレーズ分刻まれてます。

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すぐ前には、道雄先生の略歴が書かれたプレートがあります。

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書いてある文字は読むのが僕の主義ですので、夢中になって読んでますと、
どこからともなく春の海の旋律が流れて来ました。

てっきり1フレーズだけかな? と思ったら、思い切り全曲聞かせてもらえ、
なんとも幸せな気分になりました。

しかし、先生がお生まれになって120年。
このあたりに当時を思わせるような風景は何一つ残ってません。
「ここで宮城道雄先生がお生まれになったんだ・・」とは思うものの、
なかなか実感がわかず、ちょっと戸惑いながらの聖地巡礼と相成りました。

これで巡礼予定7箇所のうち3箇所を回ったことになります。
神戸はもともと生誕地のみの予定が、
思いがけず生田神社の音楽碑を訪ねることができたので、ありがたいことでした。

残り4箇所についても、出張などをうまく活かしながら巡礼を進めたいと思います。

押しダコが取れた・・

邦楽ネタですが。しばらくお箏弾く曲ないのをいいことに、稽古サボってたら、
押しダコが取れてしまってたようです。
昨日久しぶりに少し弾き込んだっけ、かなり痛かった。。(^^; 

うーん。弾く曲なくても、週に1回や2回は弾かないとダメだな、こりゃ。(^^;l

ちなみに来年の北海道三曲連盟の全道演奏会は「秋の言の葉」に決まったので、
次回帰省時に譜本持ってきて練習開始します。パートまだ決まってないけど。

あと、同じく来年の宮城会全国演奏会では、「飛鳥の夢」と決まってるので、
これもお箏になるはず。パートは支部上層部の先生方で検討中ですが、
そのうちこれも来るでしょう。

すると今度は、三絃の曲がこの秋の市民文化祭で終わっちゃうので、
しばらく三絃弾く機会無くなっちゃうんですよね。。

昔みたいに社中行事として、お正月のお弾き初め、夏の浴衣ざらいがあった頃は、
もっとたくさんの曲を勉強する機会があったんですが、
ここ数年はめっきり勉強する機会が減りました。

なんとかしたい、と思いつつも、なんともできない部分がありますね。
まぁ、これについても来年以降、ぼちぼち考えて行きましょう。

頑張ってさえいれば、どこかで誰かが見ていてくれるものなので。

うん。一つ一つの舞台を大切に、努めて行きたいと思います。