こちらのブログを更新するのは久しぶりです。
室蘭に関しては「てつまちブログ」に書くようにしているせいなのですが、
今日の話題は室蘭に関してでありながら、かなり個人的な想いなので、
こちらに書いていきます。
室蘭港。かつては北海道西部で唯一、太平洋側にある天然の良港として、
古くは札幌本道の一部、森蘭航路の発着港として、
明治末期以降は、空知炭田から産出される石炭の積出港として、
昭和末期から平成の初期にかけてはフェリーの発着場として、
港町として繁栄して来ました。
そんな室蘭港の繁栄に水を差したのが、砂浜を掘って作った苫小牧港です。
苫小牧港は、室蘭港よりも札幌に近く、また広大な土地を使えるという点が評価され、
あっと言う間に室蘭港の地位を奪い、北海道一の重要港湾になりました。
室蘭港は苫小牧港に、フェリー航路を奪われ、製油所も奪われ、
それに伴って人口もどんどん吸い取られ、港湾としての地位は下がっていく一方。
そんな現実を室蘭市民の端くれとして、苦々しく思う日々が続いているわけです。
でも、調べてみると、苫小牧港は砂浜を掘り込んで作った人工港という性格上、
どうしても漂砂が多く、毎年莫大な予算をかけて維持浚渫をしているとのこと。
そうしないと、港が浅くなって、港として機能しなくなってしまうようですね。
室蘭港は、天然の良港ですから、そんなことをしなくてもずっと港として機能します。
もしかしたらこの先、この室蘭港の良さが見直される日が来るかもしれません。
例えば、今は日本政府にもまだまだ余裕があるので、
毎年莫大な予算を海に捨てるようにして、
維持浚渫をして苫小牧港を維持できてますが。
これが、少子高齢化と人口減が進んだ時にどうなるか。
国の財政に余力が無くなったら、どうなるか。
たった60キロ先に、お金を海に捨てずとも使い続けられる港があるのです。
60キロ余分に陸上輸送するコストと、海を浚渫し続けるコスト。
今はコストが見合っているようですけど、果たして将来はどうでしょうね?
そう考えると、50年・100年のスパンで考えた場合に、
自然に出来た地の利は、そう簡単には消えないのではないかと考えられます。
苫小牧港の優位はあと20-30年は間違いないでしょう。
でも、その後、北海道の物流を支える港町は、
もしかしたら室蘭と小樽に戻っているかもしれません。
室蘭市民としては、そんな未来のために、諦めずに室蘭港を盛り上げていく。
そんな気持ちを持ち続けることが大事かもなぁ、と改めて感じるこのごろでした。