観楓会に関する考察

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北海道民なら誰でも知ってる。
だけど、道民以外は誰も知らない。そんな宴会があります。
それが「観楓会」です。「かんぷうかい」と読みます。

逆に北海道には無くて、内地にはある宴会に「暑気払い」なんてものもあります。全国津々浦々、様々な地域に根ざした宴会がありますよね。

なぜ、北海道だけに「観楓会」という行事が生まれたのか。ちょっと考えてみましたので、よかったらお付き合いください。

観楓会とは?

そもそも内地には無い「観楓会」という行事。どんな行事かと言うと、金曜日の夜など、仕事を終えた後に近隣の温泉地に行き、温泉宿で泊りがけの宴会をすることが多いようです。

時期は、「楓を観る会」ですので9~10月が多いようですが、
3月決算の会社・団体であれば10月は下半期の始まりの月。何かと忙しく、気づけば11月に入ってしまう場合も多いように思います。そうなると、もはや「観楓会」というより「寒風会」ですね。(^_^;)

観楓会が開かれる北海道ならではの事情1

では、なぜ北海道だけに観楓会が生まれたのでしょう。

僕の想像では、いくつか理由があるように思いますけど、1つは「車社会」であることが挙げられると思います。

北海道は車社会です。通勤も車でする人がほとんどです。
となると、実は「仕事帰りにちょっと一杯」というのが、すごくハードルが高い土地柄なんですよね。なんせ車で会社に来てますから、仕事帰りに呑んでしまうと、帰宅はタクシーを使うか運転代行を使うか。
なので、飲み代自体は内地よりも安く済む場合が多いですが、タクシー代や代行代まで含めると、結構高額になるんです。

それを嫌い、職場の飲み会では「飲まない」という人も多くいます。でも、年に一度くらいはみんなで飲んでワイワイやりたいですよね。

そこで良いのが観楓会です。
なんせ、温泉宿で飲んで騒いで、一晩泊まって帰るんですから、「車どうしよう」という心配がありません。素敵!

着替えとかも、予め車に積んでおけばいいし、まさに車社会である北海道にベストマッチした宴会が観楓会というわけです。

観楓会が開かれる北海道ならではの事情2

もう一つの背景。
それは、北海道民にとって「温泉がとても身近」だということですね。

例えば首都圏に住む方たちが温泉に行こうと思ったら、とっても大変ですよね。
近場でも草津か箱根か。特急列車で1時間半から2時間はかかります。

仕事を終わってから移動しても、温泉に入って20時とか21時から宴会・・・となると、ちょっと大変ですよね。しかも列車だから荷物も運びにくいし。
かといって車を出すと、もっと時間がかかるし、全然現実的ではありません。
そんな地域の方たちからしたら、「仕事を終えた後に温泉地に行って宴会」と言われても、全然ピンと来ないのも仕方ないと思います。

一方、北海道民から見て温泉って、どのくらい身近かと言うと・・・。
道内主要都市のほとんどで、車で1時間圏内に温泉地があります。

嘘だと思うでしょ? 本当なんです。地図御覧ください。


(©OpenStreetMap Contributors)

札幌だと、定山渓。
旭川だと、層雲峡。
函館だと、湯の川。
帯広だと、十勝川。
北見だと、温根湯。
小樽だと、朝里川。
そして我が室蘭は、洞爺湖・登別という2大温泉地から1時間圏内にあります。

こういう立地条件もあって、観楓会という文化がしっかりと根づいたのではないかと思います。

これ、内地の人やインバウンド向けに、体験型観光として、秋口に「観楓会ツアー」を商品化したら面白いかもしれませんね。

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