メールの署名について思うこと

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 最近はEメール文化も下火になって、ビジネスチャットツールとかが多用されるようになってきましたが、それでもまだ重要なビジネスツールの一つですよね。
 メールの末尾に付けるものと言えば、「署名」ですね。自分の氏名や所属先、連絡先を書いたものです。
 昔は、それこそアスキーアートの一種かと思うような、ものすごく凝った署名を使ってる人を多く見かけましたけど、最近ではシンプルな署名を使う人が多いですね。

署名の構成

 日本での一般的な署名の作りは、「企業や組織名」「部署」「肩書」「氏名」そして「連絡先」の順番ですね。
 もともと一人1メールアドレスではないどころか、PCが一人1台ではなかった時代の名残なのか、メールを受けた主体は「会社などの組織」であって、自分はその中の「○○の担当」ですよ、という書き方なわけです。

 一方で、外人とメールをやり取りしてると、外人の署名は「氏名」「企業や組織名」「部署」そして連絡先になってるんです。さすが個人主義の徹底された国は違います。個人は企業や組織の所有物ではない。まず「自分」があって、その「自分」は、今たまたまその「企業や組織」の仕事をしているだけ。そういう意味合いになってると思います。

 日本人の滅私奉公と、外人の個人主義の違いがこんなところにも出ているかと思うと、興味深いですよね。

僕の歴代の署名

 僕が2003年に社会人になった時、最初に作った署名は、日本人としては一般的な「企業名」「部署」「氏名」のパターンでした。まぁ、まずは先輩のを見て覚えろ、なので、それが普通ですよね。
 そこからずっと何の疑問も持たずに、同じ署名で部署を直しながら、使ってきました。

 あ、でも僕は署名に「肩書」は入れたことがないです。2008年に主任に、2016年に係長になったけど、それらの肩書って、社内での役割であって、社外の人には関係ない話だし、メールの署名とかで明示する必要の無い情報と感じたので。

 で、転機になったのが2014年頃かな。部署ごと子会社に出向になった頃です。
別に、親会社の名前が子会社の名前になったのが嫌だった、っていうことだけではないんです。少なからず、その要素があったのは否定はしませんけど。

 その当時いた部署のボスが、またとんでもない人で。

「いつこの会社を辞めてもいいように、どこででも通用するスキルを身に着けろ。それをこの会社も必要としている」

 なんてことを当たり前のように部下に指導する人で。僕らも真に受けて、社内ではなくて社外の、業界のあるべき方向性を目指してスキルアップを図って行っていたんです。

 この頃になると、ある程度「自分」というものに対する自信が付いてきました。「会社が自分を雇用してくれてる」んじゃなく、「自分が会社で働いてやってる」んだっていう、ある意味傲慢な考え方に近くなって来たんですよね。
 その頃に、ちょうど外資系メーカーを担当するようになって、外人とのメールのやりとりとかもまれにするようになって、外人の署名を見たんです。あ、これいいな、と。
 そこから、僕の署名は「氏名」「自分を特徴付ける技術系資格名」「企業名」「部署」「連絡先」という順番になりました。(笑)

 で、2017年に僕は前職を辞めて、全てのキャリアを放り出して、郷里室蘭に帰ってきました。その時の署名は、僕の「室蘭に帰りたい」に応えて、拾ってくれた現職場に対する恩義を受けて、再び「団体名」「部署」「氏名」「連絡先」に戻ったというわけです。それで2021年まで来ました。

そして、今は・・?

 実は今、僕の署名は再び「氏名」「団体名」「部署」「連絡先」に戻っています。
 それは、今になってようやく、この「室蘭」というまちで、団体のブランドでなく、自分ブランドでやれるんじゃないか? という自信が付いてきたのが一つ、背景にあります。

 でも、もう一つ理由があります。
 公の勤務先は1つですが、個人として関わっている団体・組織が多くなってきていること。
 こうなってくると、組織や団体を軸にしていると、もうややこしいんです。○○協会の僕なのか、○○実行委員会の僕なのか、○○講座の僕なのか。(笑)
 でも、自分を軸にすると、なんというか、すっきりしたんですよね。どの立場も、僕は僕ですから。

 「僕の、○○という役割」という表現の仕方。
 傲慢に見えるかもしれませんけど。僕も40過ぎて、仕事人人生としては残り20年か25年。体力や気力はどんどん落ちていく中、今まで以上の成果を出そうと思った時に、少しでも自分の「もやもや」は晴らすに限るので、より以上の成果を出すことでご容赦頂きながら、さらに加速して行きたいと思っています。

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