「てつまちブログ」とこちらと、どちらに投稿しようか迷ったんですが、ちょっと扱う範囲が広いのでこっちにしました。
携帯電話の普及と、固定電話もデジタル化・IP化でだいぶ従来の番号体系が崩れてきているのもあって、「電話番号から、おおまかな発信場所を特定する」という知識がロスト・テクノロジーと化してそうな気がしたので、一度まとめてみたいと思い、投稿します。
というか、携帯電話ばかり使ってる若い世代は、「同一市内の固定電話にかけるなら、市外局番は省略できる」ということすら、知らないんじゃないかなぁ、と思うこのごろ。それって、便利になったようで不便になったポイントなので、古くて便利な知識を残せたらいいなぁと思います。
ぶっちゃけ、ご近所の固定電話なら下4ケタさえ覚えれば良かったので、本当に覚えやすかったんです。今は携帯電話の11ケタを覚えないといけなくて、自分の番号を覚えるのすら一苦労です。ほんと不便な世の中になったものですね。
固定電話番号のしくみ
固定電話番号は、市外局番・市内局番・加入者番号から成り立っています。
これはかつて、アナログで(手動で)電話を繋いでいた頃の名残で、まず市外局番で各市町村ごとの「入り口」を担当する大きな交換局を呼び出します。
次に「市内局番」で、その市町村内の小さな交換局を呼び出します。
最後に、加入者番号でその小さな交換局に収容されている各加入者の回線に接続するというわけですね。
「局番」は、文字通り収容「局」に割り振られた番号でしたから、局番を見ればどこの地域の収容局にある回線か一目瞭然だったのです。
2000年代以降、固定電話にもデジタル化の波がやってきて、この「局番」と、リアルの「収容局」が、必ずしも一致しない例も増えてきました。
一方で、電話番号は一度決めたら、移転とかしない限り変わりませんから、昔から使われている番号は、以前の法則性を保ったままだったりします。
この法則性から、発信者の大体の居場所がわかる、ということですね。
上の図で、市外局番の頭2ケタでおおまかな地域(東北とか関東といった大きなエリア分け)がわかると書いてますが、まずはそこから整理したいと思います。
市外局番の頭2ケタによる見分け方
市外局番の頭2ケタは、おおむね以下の図のようなエリアに対応しています。なお、飛び地等もあり、完全にこれで割り切れるわけではないので、その点はご了承ください。
市外局番は概ね。北から南に向けて、01*から09*まで割り振られています。
今はナンバーディスプレイがありますから、例えば頭2ケタが09だったら九州からですし、04だったら南関東からだとわかりますね。
そして各地域の代表的な都市の多くが3ケタ市外局番で、その地域の2ケタ+2の市外局番が振られているので、わかりやすいです。(仙台022、名古屋052、広島082、福岡092、札幌は例外で011)
前職の頃、僕のいた部署にかかってる電話は大体社内の電話だったので頭2ケタを見ればどの支店からの電話か瞬時に判別可能でした。(笑)
北海道内の市外局番 ~頭3ケタで大体わかる。
実は市外局番、頭から3ケタ目を見ると、そのエリア内のどこかがおおまかにわかるようになっています。例として、北海道内はこんな感じです。
これも、「おおまかにざっくり掴んでもらう」のを目的に作図してますので、正確性はほどほどです。ご了承ください。
道内は、札幌の011から始まって、石狩南部・空知南部が012x、渡島・檜山・後志・石狩北部が013*、胆振・日高が014*、道東が015*、道北が016*です。
ちなみに017以降は北東北です。(笑)
こうして見ると、市外局番を全部覚えなくても、6パターンを知っていれば、大体どこの地方からかかってきた電話か判断できますよね。
市内局番について
最後に市内局番についてですが、先述のとおりデジタル化でだいぶ原則が崩れてきていますので、そこはご了承ください。
市内局番は室蘭市内を題材に紹介します。
室蘭市内には現在、室蘭、新室蘭西、絵鞆、本輪西、白鳥台の5箇所の収容局(昔で言う交換局)があり、それぞれの地域の電話回線を収容しています。
昔、ADSLが普及した頃に、「収容局から近いほど速度が速い」という法則があり、結構みんな収容局を意識していたもんですが、そんなことを知っているのはもはや「インターネット老人会」の人たちだけかもしれませんね。(笑)
もともと室蘭市は大きく3つのエリアに分かれていて、いわゆる蘭西が20番台、蘭東が40番台、蘭北が50番台の局番を収容してました。
その後、絵鞆が出来て27番台の局番を、白鳥台が出来て59番の局番を、それぞれ収容したというわけですね。
新室蘭西局は22~25番あたり、室蘭局は43~45番あたりを受け持ってますが、本輪西局は55番のみのようですね。
あと登別市内はかつて「01438-」の別市外局番扱いでしたが、90年台に室蘭の0143と同一市内扱いになりました。登別市内は80番台の局番が振られています。
ここに当てはまらない、50番とか57番とかの局番は、2000年代以降のデジタル化以降に新たに払い出された電話番号で、これらの番号は特定の交換局に固有のものではありません。こういった番号が増えていくと、古くからの上で説明したような法則性も消えていくのでしょうね。