さて。7月も最終日ですね。
今月はなんと、この記事を入れて14件もブログ書きました。
先月の3倍近いですね。何そんなに書くことあったんだろう・・?
というわけで、最終日の今日、仕事が終わった後にPMFの国内最終公演「野村チャリティーコンサート」に行って来ました。
PMF(Pacific Music Festival)とは、世界的指揮者・作曲家であった故レナード・バーンスタインの提唱で1990年に創設された国際教育音楽祭で、毎年7月に北海道札幌市で行われます。
PMFでは世界中からオーディションで選ばれた若手演奏家たちが札幌に集まり、1ヶ月間の集中トレーニングと、数々の演奏会をこなすというもので、7月ともなると札幌では毎日のようなPMF関連の演奏会がある、という感じになります。
PMFの目玉は、なんと言っても札幌芸術の森野外ステージで行われるピクニックコンサート「レナード・バーンスタイン・メモリアル・コンサート」で、この日は朝から夜まで音楽漬けの一日を過ごすことができます。
そして、1ヶ月間の集大成として、7月末に行われる東京公演、大阪公演をもってPMFは幕を閉じます。
その東京公演の翌日に開かれたのが今回のチャリティーコンサートというわけです。
会場はサントリーホール。国内最高峰の音楽専用ホールですね。
僕自身はここに来たのは初めてです。NHKとかのクラシック音楽番組とかではお馴染みですね。
ホールの形式としては舞台を中心に客席がとりまくヴィンヤード型。札幌コンサートホール「Kitara」と同じ形式ですね。
Kitaraには何度か行ったことがあるんですが、あそこは建材に木が多用され、柔らかく奥行きのある響きが特徴なのに対し、サントリーホールは舞台周りと1階席が石造りになっており、音の繊細な輪郭がはっきりと聞こえるホールでした。
そして、聞こえてくるのは生そのままの音、という感じでした。
ホールの音響が素晴らしいので、マイクとかスピーカーといった音響装置がほとんど必要ないのでしょう。
弦楽器の絃を弓がこする音、管楽器の息遣い、空気そのものの振動として伝わってくる打楽器の響き。そういった、マイクを通すと雑音になってしまいがちな繊細な響きまでもが、自然にホール後ろの方だった僕のところまで聞こえてきていました。
さらに、今回開眼したことがあります。
ホールの良し悪しは、「静寂の深さ」にあるんじゃないかと感じました。
そして、ホールは楽器の一部だということも。。
音響装置の多いホールだと、音響装置が発する微弱な電磁的なノイズが静寂を乱します。
空調設備もずさんに設置されてて、轟音を立ててるところも、地方のホールには多い。
そして、遮音性が十分じゃなく、外の喧騒が漏れてきてしまっているホールもよく見かけます。
生の演奏は、耳に聞こえる音だけではなく、身体全身で感じるものです。
音であれば可聴範囲を超えた部分でも、ノイズがあればそれに気を取られますし、身体の五感として、どこかに違和感があると聴くことに集中できません。
その点。可聴音以外のノイズへの配慮。そこまできっちり考えられて設計されていること。それがこのホールの「静寂の深さ」に繋がっているんだと感じました。
そして静寂が深いから、ピアニッシモの響きであっても、静と動の対比で音楽が全然違って聴こえる。
吸い込まれそうなほどの静寂の中に、一つ生まれた音が感動を生む。
曲自体は、あまり耳馴染みのない曲でしたが、十二分に楽しめる演奏会でした。
来年は是非、Kitaraか芸術の森で聴きたいと思います。