道なき道をゆく

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(写真は全て、クリックすると拡大します)

<4時間コース 行程表>

さて、スコトン岬を出た僕は、スタスタともときた道を戻っていきます。
途中の高台に、水難犠牲者慰霊碑なるものがあったので、軽く手を合わせて、お許しを頂いてから周辺で写真撮影。

眼下には船泊湾。その向こうに利尻富士という光景です。
辺りは木一本生えておらず、地べたに這うようにして草原が続きます。

そんな草原を突っ切るように道路は続きます。

少し歩くと、右手に鮮やかなブルーの建物が見えてきました。
見ると、すでに廃校になった学校のようで、須古頓小学校との記述があります。

スコトンって、須古頓って書くんですね。まぁどうせ当て字ですけど。
調べてみたところ、スコトンとは「夏の集落」を意味するそうです。「コトン」は「コタン」が訛ったものなんですね。

やがて道は船泊方面に行く道から離れます。
分岐してすぐのところに小さな神社があったので、また軽くお参りをして、先に進みます。
須古頓神社というそうです。

余程遠回りになるなら、遥拝にさせてもらいますけど、道沿いにあるお社ならちゃんとお参りします。
この土地を散策し、楽しませていただくのですから、地主神様にご挨拶申し上げるのは当然でしょう。

神社から少し行くと、海の方に降りていく道と、山を登っていく道に分かれます。
ガイドを見ると、海の方の道は「車両は通行止め」と書かれてます。ということは、歩行者ならいけるのだろうと海側のルートを選択。

眼下にはキレイな入江が広がります。
ここは鮑古丹と呼ばれる土地です。アイヌ語っぽい響きですけど、「アワビ」は日本語ですので、後から和人が付けた地名なのでしょうかね。

この辺りの海も恐ろしいほどの透明度です。

道沿いにはススキが群生し、景色に彩りを与えてます。
鮑古丹には、定住している人はいない様子でした。漁師さんの番屋のような建物が数件あるだけの寂しい入江。

そしてここにも小さな神社、鮑古丹神社があったので、軽くお参りして行きました。
しかし、神社は和人が集落の守り神として持ち込んだものでしょう。
そして集落から人影が消え、神社だけが取り残されている。

人々が去り、神社だけが置いてけぼりになってるのだとしたら、なんとも切ない景色ですね。。

神社の脇を抜け、道を登っていくと、先ほど山に向かって分かれた舗装道路が合流。

かと思ったらあっと言う間に舗装道路は終わり、ただの踏みつけ道が続きます。

 

朝まで降ってた雨の影響もあって、ところどころぬかるみがあり、足元が非常に滑りやすくなっていて難儀します。
そして傾斜も結構あり、さながら登山の様相を呈してきます。

そしてスコトン岬を出てから70分ほどかけて、ようやくゴロタ岬に到着。
ここは標高が176mもあるそうで。。そりゃ大変なわけだ。(^^;
ですが、ここからの眺望はちょっと他では味わえません。

北にはスコトン岬と海驢島。

東に目をやれば船泊湾。

南に目をやれば利尻富士。

西はただひたすら続く日本海。

文字通り360度の眺望が楽しめます。
ここは本当にオススメです。

ですが・・・
登ってきたということは、同じだけ下らなければならないわけでして。
笹薮をかきわけて、道なき道をたどります。

 

 

なんせ傾斜がきつい上に、ぬかるんだ地面が滑ります。本当にきつい。
それでも僕は子供の頃から、両親に連れられて山菜採りとかで山歩きはしてきましたし、
実家の近所の山を遊び場にしてた時期もありますから、山歩きの心得は多少はあります。

足場が悪い時は、一歩踏み出した足にいきなり全体重をかけることはせず、まずは足場の状態を十分確認し、体重を支える強度があることを確認してから踏み出す。
必ず左右の足のどちらかは常に、信頼できる足場を確保している状態にする。
それがかなわない時には、草や笹など、掴まるものを確保する。

ここに来て、軍手を持って来なかったことを悔やみます。まぁ遅いんですけど。
幸い草で手を切ることもなく、無事斜面を下って行きます。

すると、少しずつ道も平坦になり、クルマが通れそうな幅になってきます。
海辺は、大きめの丸い石が無数に転がる海岸です。

 

ここまで来ると、天気もだいぶ回復して、薄日が差してきました。
<つづく>

 

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