北海道ローカル線の旅(1)

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ようやく時間的に余裕もできたので、10月10日~12日の3連休で出かけてきた一人旅をまとめたいと思います。

今回の旅の目的は3つ。

  1. 留萌本線に乗ること(留萌-増毛間2016年春に廃止予定)
  2. 増毛町内の歴史的街並みを散策すること
  3. 札沼線(愛称学園都市線)に乗ること(新十津川発の列車が2016年春に減便)

はい。完全に鉄道旅です。
僕は別に鉄オタではないんだけど、北海道の産業史に鉄道が果たしてきた役割に対して、特別な感慨を持っています。そんな思いもあり、今回の旅を企画しました。

全体の旅程図はこんな感じです。全踏破距離は約440キロとなりました。

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(C) OpenStreetMap contributors


10月10日(土) 1日目

とは言え、あまり資金も無い貧乏旅。割引の聴く飛行機を選んでいたら、出発は10日の夕方になってしまいました。1日目は道内に入って終わりです。

少し早めに羽田空港に入り、しっかりと腹ごしらえ。

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空港B1Fのモノレール南改札近くに最近、「てんや」が出来たのをご存知ですか?
空港内は何を食べるにしても高いので、こうして手頃な価格で食事が出来るファストフード系のお店が出来てくれると、本当に助かります。向かいにある蕎麦屋さんともども、これからかなりお世話になりそうです。(^^

頼んだのは鶏天丼と小うどんのセット。
好きなんですよね。てんやの鶏天丼。(^^ 柚子胡椒でさっぱりと頂きました。

で、保安検査場を通って、18:50発のADO35便で飛び立ち・・・の予定が、機材到着遅れで30分遅延の案内が。(^^;

となれば、やることは決まってます。これ。(笑)

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やっぱり、旅の始まりはコレがないとね!(笑)

そんなこんなで19:20頃羽田空港を離陸。20:50頃、新千歳空港に着陸。
その後はJRで千歳駅まで移動し、宿泊先はルートイン千歳駅前でした。

さすが3連休といったところか、札幌市内の宿は全然取れなかったので、近場の千歳に一泊です。ここは人工温泉の展望大浴場があって、ひさしぶりにのんびり足を伸ばして入浴しました。(^^

そんなこんなで1日目の夜は更けていきました。

 


10月11日(日) 2日目

夜が明けて、ここからが旅行本番! というわけでホテルで朝食です。
全国チェーンのビジネスホテルは朝食がしっかり摂れるのが嬉しいところ。

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この中で、道産子な僕には嬉しいメニューがありました。それはこれ!

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たぶん、北海道の郷土料理の一つに数えられるのではないでしょうか。じゃがいもを茹でて潰して、片栗粉と混ぜて練ってつくる「いももち」です。
うちの母はあまり作ってくれませんでしたが、祖母のところに遊びに行くと、よく作ってくれました。「戦争中はこんなものでも、ごちそうだったんだよ。」と言いながら。

ちなみに写真のようにバターでコンガリ焼いて砂糖醤油で甘辛く味付ける食べ方の他に、汁物に入れて「すいとん」のように食べる食べ方もあります。(^^

思いがけないふるさとの味に元気付けられて、9時過ぎにホテルを出発。一路JR千歳駅に向かいます。

駅に着いたら、まずは切符を購入。この日は増毛まで行きますので、増毛までの乗車券と、途中札幌から深川まで特急を使うので、その区間の自由席特急券を購入です。

窓口でモゴモゴしたくないので、ホテルでメモ書いて持って行ったところ、思いがけずスムーズに購入が済み、予定よりも1本早い電車に乗ることが出来ました。

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この千歳駅、普段はほとんど乗り降りすることのない駅です。
え? 空港あるのになぜ? と思われるかもしれませんね。

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そう。「新千歳空港駅」と、その一つ手前の乗換駅「南千歳駅」はよく降りるのですが、千歳市の代表駅のはずの、この千歳駅にはまず来ることがないのです。
それどころか、特急も大部分がここを通過。隣の南千歳駅に止まります。

そんな肩身の狭い感じの千歳駅が、なんとなく好きなのは、僕が室蘭市民だからかもしれませんね。室蘭も特急は東室蘭駅にしか止まらず、室蘭駅は寂しい感じですから。(笑)

千歳から乗ったのは小樽行きの快速エアポート。車両は今年に入って急速に淘汰が進んでいる721系電車です。

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でも、なんとなく、旅情があっていいと思いませんか? 
デッキと室内を隔てるこの扉とか。いかにも寒冷地の列車って感じで好きです。
混雑線区ではこれが混雑の原因だということで、最近の最新車両にはこれがありません。

千歳-札幌間は、いつもの通い慣れた鉄路。あっと言う間に札幌に到着です。
改めて考えると、千歳と札幌って30分しかかからないんですね。道内にいた頃は、千歳から札幌に通勤してる人がいると聞いて仰天したものですが、今から考えれば、通勤時間30分なら札幌市内の不便なところに住むよりはずっと快適そうです。

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1本早い電車に乗れたおかげで、札幌で20分ほど乗り換え時間がありました。なので、キヨスクでお茶を調達して、のんびりホームで列車を待ちます。

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ここから乗るのはL特急スーパーカムイ11号。旭川行きです。
この「L特急」という呼称、もともとは旧国鉄時代に付けられた区分で、かつては全国にL特急が走っていたそうですが、現在ではJR北海道とJR東海とJR西日本でしか走ってないんだとか。
調べてみたら現行のL特急は北海道の「すずらん」とこの「スーパーカムイ」、東海の「しなの」「ひだ」、そして西日本の「しらさぎ」の5本だけだそうで。。そんな珍しいL特急に乗れるのも列車旅の醍醐味ですね。

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車両は785系電車でした。この車両は旧スーパーホワイトアロー用に作られた車両で、今はスーパーカムイとすずらんで共用されてます。
室蘭市民にとっては、すずらんの車両としておなじみ。(^^

札幌を出てすぐに車内改札があり、車掌さんに切符を見せたところ、親切に「深川では同じホームの向かい側に乗り換えですからね。」と教えて下さいました。
やはり廃線報道があってから、全国の鉄っちゃんが集結しているのかもしれません。

札幌までのJR千歳線は割と山がちなところを走るんですが、ここからの函館線は石狩平野の田園風景の中を進みます。
途中、夕張川や空知川などの大河を何本も渡っていく様は壮観ですよね。

この石狩平野の片隅でうちの父が生まれ育ったわけですが、父が子供の頃や、祖父母が若い頃、土地改良が進む前は、この田園風景は無く、石狩川の周辺はドロドロの泥炭地(湿地帯)だったと聞きます。
そんな土地をこんな乾いた肥沃な大地に生まれ変わらせた人類の叡智に驚くとともに、自然をこんなにも改変してしまって後世変な影響が出なければいいが・・とも思います。

そんな感慨を抱きつつ、札幌から1時間ほどで乗り換え駅である「深川駅」に到着。

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ここからは、これから乗る留萌本線の他にも、かつて天塩の山々を越えて道北の名寄まで続いていた路線「深名線」が分岐していました。ここは交通の要衝として栄えていたんですね。

車掌さんが教えてくれた通り、列車が着いたホームの向かい側に見慣れない2両編成の列車が待ってました。これがキハ54形、僕も乗るのが初めての車両です。

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この車両は最後の国鉄車両とも言えるでしょう。民営化直前の1986年にJR四国とJR北海道向けに製作された車両です。気動車にしては珍しくステンレス車体で、エンジンを2基積むなど山間地路線にも単行で運行できるメリットがあるとか。(ウィキペディアより)
道内でもここ留萌本線の他、宗谷本線、石北本線、釧網本線、根室本線の一部(花咲線)など、とくに環境の厳しい路線でしか走ってないため、道民でも乗ったことのない人が多いレア車両と言えると思います。

内装も旧国鉄車両っぽい雰囲気が随所に。しかし扇風機がいい味出してますよね。(笑)

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そして3枚目の写真をご覧頂くとわかる通り・・・ 北海道のローカル路線とは思えない混み具合となっております。立ち客が出るほど。。

こんな状態で、11時8分に深川を発車。列車は一路、終点増毛に向かって走ります。
いつも乗るキハ40形やキハ150形に比べると、エンジンの音が野太く、静かな感じがします。

車窓を流れる風景は最初、石狩平野の田園風景が続きますが、次第に山間部へと進んでいきます。

長くなってきたので、ここらで一旦切りますね。

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