北海道の地名に含まれる原罪

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我ながらすごいタイトルですが。(^^;

以前、東京にいた頃に、「室蘭」という地名について、「なんだか優しい感じのする地名ですね。」と言われて、きょとんとしたことがあります。

よくよく話を聞くと、「蘭」という花の名前が含まれていることが理由のようで、花の咲き乱れる自然豊かなまち・・的な感じを想像したみたいでした。

漢字というものは、表意文字ですから字自体に意味があります。
本州の人にとっては、地名とはその漢字本来の意味を考えて付けるものなのでしょう。深い川があれば深川。4つ谷があれば四谷、など。

でも北海道の大部分の地名は違います。特に漢字で書かれた地名は。。

北海道の地名の大部分は、先住民族であるアイヌの方たちが付けたものに、後から侵略してきた和人が音訳で自分たちの文字である漢字を当てはめたものです。

室蘭も、アイヌ語の「モ・ルエラニ」という地名から来ています。
意味は「小さな坂を下ったところ」。もちろん蘭の花も、室も関係ありません。

むしろ、ここにはもともとアイヌの暮らしていた土地を和人が奪い、勝手に和人流の地名に改変して、今なお使っているという罪深い実情が見えてきます。

だからでしょうか。
僕は「室蘭」という漢字には全く愛着がありません。
音としての「むろらん」「ムロラン」には愛着を持ってますが、余計な意味、本来の意味ではない意味、そして先人が犯した罪が含まれる「室蘭」という漢字には、愛着は無いのです。

もちろん、日本人の住む街の地名として、漢字ではない地名は「かっこ悪い」とは思うのですが、かといって北海道の地名を「漢字で書くのが正式」と言うつもりにもなれないのです。だって正式なのは本来、アイヌ語の地名でしょう?

アイヌ語には文字がありませんから、音が本質です。
だからこそ、「むろらん」の音は大切にしたい。

そんなことを改めて感じたこのごろでした。

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