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朝は5時に起きて朝風呂に入り、6時半にはホテルをチェックアウトして朝の街に歩き出す。
稚内という街は、三方を海に囲まれているせいか、街のどこに行っても追いかけてくるように潮の香りがする。
その香りがなんとも心地よく、そして気持ちいい。
JR稚内駅の前で、前日は気づかなかったモニュメントを見つけた。
線路はここで終わり。
かつてはここから先の北防波堤ドームまで線路は続き、人々をフロンティアの地・南樺太へと誘っていた。
かつて線路だった場所を渡り、岸壁に出ると、左手にはその北防波堤ドームが。
そして右手にはこれから向かうフェリー埠頭が見えた。
7時前にフェリー埠頭に到着。乗船手続きをして待つ。
行き先は礼文島。稚内の北西に浮かぶ2つの島のうちの1つだ。
今回、2つの島のうち礼文島を選んだのには、いくつか理由がある。
一つは、交通の便が悪いこと。
島内にある空港は、もう何年も定期便が飛んでおらず、礼文島に行くには海路を使うしかない。
もう一方の利尻島なら、新千歳空港から飛行機が出ている。
つまり、礼文島に行くには時間がかかる。一大決心が無いと行くのが難しい。
これに関連してだが、観光客が少ないだろうことも、選んだ理由の一つ。
大型バスがひっきりなしに走り、団体旅行の人たちがうろうろしてるところにはあまり行きたくない。
さらに、礼文島の方が、開発が進んでない印象があった。
昨日も書いたが、僕の旅は基本的に人の手の及んでない景色を求めてる。
7:30発 利尻島鴛泊港を経由して礼文島香深港に向かう船に乗り込む。
乗った船はサイプリア宗谷。全長100m級、3000トンクラスのカーフェリーだ。
決して大きな船ではないが、この日は波がおだやかで、ほとんど揺れは感じなかった。
船内をうろうろしてるうちに出港の時間。
船は少しずつ岸壁を離れ、速度を上げ、港を出ようと進む。
意外にスピードが出てる。
港を出ると、しばらく右手に宗谷丘陵、左手にノシャップ岬を望みつつ進む。
最初の写真、天気が悪くてよく見えてないのだが、丘の上に柱状のものが大量にあるのがわかるだろうか。
宗谷丘陵も今や風力発電用の風車で埋め尽くされていた。
稚内は自然エネルギーの普及に力を入れているそうで、市内いたるところに風車が設置されている。
さながら、「風車の街」と呼んでも良さそうなほどの数。
確かに遮る木も少なく、高い山もなく、海風がもろに当たる稚内周辺の丘陵地帯は風力発電に最適だろう。
似たような条件である僕の郷里室蘭でも、どうせならこのくらい思い切ってたくさんの風車を建て、
逆にそれを観光資源にするくらいのたくましさが欲しいな、とふと思った。
やがてノシャップ岬を回った船は、一路利尻島へ、そしてその先にある礼文島に向けて速度を上げた。
(つづく)